1.問い
本研究の問いは,以下の3点です.
2.インタビュー実験(N=1)
3.知見及び考察
まだ論文として未発表のため,詳細は控え,得られた知見の項目だけを記述します.インタビューは,我々2名がインタビュアーとなり,テーマを念頭に置きながらも,インタビュイーの人生に関してなんでも語っていただくことを第一ゴールとし,そのために臨機応変に質問を繰り出した.概して,インタビュアー2名が続けて質問/合いの手などを繰り出すと,しばらくしてインタビュイーが返答を行うという形で進んだ.
3-1:インタビュー技法の分類を見出す
まず,我々がどのようなインタビュー技法を駆使しているかを調査した.書き起こしたインタビュー記録を基に,我々の発言がどのような技法であるかを分類した(分類結果は割愛).
3-2:インタビュイーの意見の分類を見出す
インタビュイーの意見が含まれている発言を分類した.ひとの人生の哲学を聞き出すには,何が必要かに関する知見が得られた(具体的結果は割愛).
3-3:定型の語り口を見分ける方法の提案
インタビュイーの発言が定型の語り口かどうかは,本来はインタビュイー本人に尋ねるしか方法はないが,これだけ長いインタビューのひとつひとつの意見に関して事後インタビューを行うのは,インタビュイーの生活に支障を来すため実現不可能である.したがって,我々は,客観的に観察できる事柄(内容は割愛)から,定型の語り口かどうかを分類する手法を提案した.
3-4:哲学を聞き出すには..
3-2の分類結果から,各分類に属するインタビューイの意見の頻度が,時間の関数としてデータ化された.その時間推移から,哲学を聞き出すことの難しさと,対策を知見として得た(内容は割愛).
3-5:定型の語り口の頻度
第1回,第2回のインタビューでは,定型の語り口と非定型の比率は完全に一致した(驚くべき一致である).それに対して,第3回のインタビューだけ,その比率が大きく変化した.
3-6:定型を破る質問技法の共起分析
何か特定の質問技法を重ねあわせてインタビュイーに発話を促すと,彼の意見を引き出せるのか(特に,定型をやぶる意見を引き出せるのか)を共起分析手法により分析した.従来インタビューでは禁じ手とされてきたような技法が実は有効であるという,アンチテーゼ的な知見が得られた.(内容は割愛)