諏訪研概要

基本理念

“豊かな感性・発想力をもつからだ”を育む実践的な学びと、その方法論の開拓

概要

 豊かな発想とか鋭い感性ということばは、アスリート・アーティスト・デザイナーなど様々な領域で創造的な仕事を為すプロフェッショナルを形容するフレーズとして使用されます。しかし、それはごく普通の日常生活における小さな創造にも必要とされる認知力であると考えています。趣味レベルでスポーツを続けるアマチュア選手も、年齢や体力と闘いながらスキルを向上させるためには鋭い感性が必要です。そしてアマチュア選手が日々感性を育むための実践的な学びは、プロのアスリートの学びと、認知プロセスとして差はないと考えられます(もちろん学ぶスキルのレベルや質は異なりますが)。諏訪研では、鋭い感性や発想力を備えたからだを育む実践的な学びの実践を通して、その方法論を開拓することを基本理念とし、様々な研究テーマに取り組んでいます。この基本理念の背景は、Masaki Suwaの「Research Issuesの進展—自己紹介に代えて—」を参照してください。

手段・メソッド

“からだメタ認知”というメソッドを駆使し、実生活において“からだを考える”習慣を実践すること

 詳しくは諏訪研主要概念のページを参照してください。簡潔に述べるならば、身体が無意識にやってしまっている様々なことをことばとして表象して、一度じっくりと探究してみようではないかというメソッドです。ことばにするからと言って、それは自分の身体を分析して解明しようというのではありません。ことばにするからこそ、それまでばらばらでまとまらなかった様々な概念につながりを見出せたり、新たな視点や着眼点を得ることができたり、新たな属性や側面に気付けたり、それに自分なりの解釈を与えることができるようになったりします。
 自分のからだがやっていることをことばで表象してみようという認知行為は、決してひとりよがりの行為ではありません。むしろ、自分と世の中の接点を探ることになります。「様々な概念につながりを見出す」と上で書きました。それは、例えば、世の中が正しいと宣う知識や、「あなたはこう見える」という自分自身の身体の客観的な見えには常に目を配りながら、それが自分にとってどういう意味を持つのかという内なる主観との接点を探求することなのです(諏訪,2005;古川編著,諏訪著,2009,諏訪&赤石,2010)。
 まとめると、からだメタ認知というメソッドは、
(1)新たな着眼点を得て様々な概念につながりを見出すこと
(2)見出した性質やつながりを自分ごととして解釈すること
の2点を促すものです。

主要キーワード

感性,発想,からだメタ認知,身体性,構成的方法論,デザイン,一人称研究

研究テーマ一覧

●身体スキル学習 ●感性を育む(self-making)学び ●学びの場のデザイン ●学びのプロセスを伝えるメディア/方法論の開発 ●身体的コミュニケーションの秩序解明と場のデザイン ●コーチングの場のデザイン